NARUTOスポーツコミッション

活動エリア
徳島県鳴門市
人口
5万4,356人 (2023年5月)
面積
135.66㎢
位置
四国の東端、徳島県の東北端鳴門海峡をへだてて淡路島に対峙する
取材年度
2023年

鳴門の歴史と伝統を守り収益化につなげるコミッション

設立の経緯
・2018年に教育委員会(体育振興)と経済局(プロチーム支援)に存在していたスポーツ施策の所管を統合し、首長部局にスポーツ課を設置(首長部局での設置は徳島県内初)
・スポーツ課ではスポーツを産 業と捉えて地域活性化に取り組むことを目標のひとつに掲げる
・SCはスポーツを通じた地域活性化をより一層推進するための官民連携組織として2021年に設立
基礎情報
所在地
徳島県鳴門市
設立
2021年3月30日
予算
約670万円(2023年度)
職員数
10人(全て市職員)
担当部署
鳴門市市民生活部スポーツ課
組織体制

ポイント

地元にゆかりのある企業や地場産業との連携・協働による収益の創出

 アスリートにとって必要な栄養素やカロリーが補給できる弁当を地元大学の公認スポーツ栄養士監修のもと開発し、鳴門市が創業地である大塚製薬株式会社のポカリスエットがセットになった2種類のNARUTOスポーツフードを販売している。鳴門市内で開催される大会や合宿で訪れたスポーツチームや団体から年間1,000食以上の注文がある。
 新型コロナウイルス感染症の影響により阿波踊りの機会が激減し、鳴門の足袋産業は大きな打撃を受けた。地場産業を守るため、200年の歴史と伝統を有する鳴門の足袋の技術とスポーツ分野のコラボレーションによって、スポーツのパフォーマンスの向上に資する屋内用トレーニング足袋である「ナルトレタビ」を開発、販売している。子どもから高齢者までの日常的なエクササイズやアスリートのトレーニングなど幅広い年代・場面で利用されており、コミッションの貴重な収入源となっている。

受け入れプログラムマニュアルを作成し武道ツーリズムを推進

 鳴門市では柔道、剣道、弓道、合気道、空手、少林寺拳法の6種類の武道団体が積極的に活動しており、その土壌を活かして武道ツーリズムを推進。定期的な武道ツーリズム研究会を開催している。
 徳島県が旧来よりドイツとの関係が深かったことから、鳴門市もドイツ・ハンドボール代表の事前キャンプを受け入れた。大会後もドイツとの交流が続いており、2022年にはドイツ・ニーダーザクセン州柔道連盟の訪問時に、徳島県と共同で中学生を中心に武道体験を提供した。また、市内の親子連れ、市内に住む留学生や外国人、県外スポーツ団体を対象とした武道ツーリズムモニターツアーを実施し、体験メニューを大会・合宿のオプションとして提案できないか模索中である。
 武道ツーリズムの円滑な受け入れとプログラムの体系化を図るため、2023年3月に少林寺拳法における「武道ツーリズムベーシックプログラム」(受入マニュアル)を作成した。今後、他の武道団体とも協力してマニュアルを作成する予定である。

鳴門市出身の元プロ選手や地域資源を活かしたスポーツによるまちづくりの推進

 鳴門市出身の元プロ野球選手で、鳴門市スポーツアドバイザーでもある里崎智也氏に協力を得て、2021年度から小学4年生以下の少年野球大会を開催している。里崎氏は名誉会長としてのゲスト出演、児童への技術指導などを担っており、野球を楽しむために開催した同大会には四国の近隣県または関西圏からも参加がある。
 県外から鳴門市を訪れたスポーツ大会・合宿の参加者に対して、滞在期間中の体力づくりに活用してもらうため、鳴門市ならではの自然や地形を活用した8種類のランニングコースをまとめた「鳴門市トレーニングマップ」を制作、配布している。これらのランニングコースは市内の陸上競技関係者からの聞き取りにより作られたものであり、鳴門の豊かな自然を感じることができるコースとなっている。