一般社団法人ウェルネスポーツ鴨川

活動エリア
千葉県鴨川市
人口
3万852人(2023年6月)
面積
191.14㎢
位置
千葉県の南東部に位置する南房総観光圏の観光都市。海岸部は南房総国定公園に指定。
取材年度
2023年

指定管理と自主事業により財政基盤と活動拠点の
確保を実現するコミッション

設立の経緯
・なでしこリーグ・オルカ鴨川FCでフロント経験を有する地元出身者が2015年に他都市で活動するスポーツコミッションの事例を知り、スポーツ施設の有効活用や地域活性化に向けて鴨川市でも組織を設立できないかと当時の市長に提案
・提案を受けた鴨川市は、教育委員会が所管していたスポーツ施策を2017年に首長部局である建設経済部に移管し、また、スポーツ施策を体系的かつ総合的に推進できるように「スポーツを通じた地域振興基本計画」を策定
・同計画に基づき2019年に設立。自治体事務局よりも動きやすく、民間の視点も取り入れるため設立当初から法人格(一般社団法人)をもつ団体として活動
基礎情報
所在地
千葉県鴨川市
設立
2019年3月22日
予算
3,500万円
職員数
15人(正職員4人)
担当部署
建設経済部スポーツ振興課
組織体制

ポイント

設立後数年かけてスポーツ拠点施設の指定管理者に

 財政的な基盤の構築と活動拠点の確保の両立を図るため、小湊さとうみ学校の指定管理を2023年度からスタート。契約期間は3年、指定管理料は年2,500万円(1年目)である。
 小湊さとうみ学校は、かつて地域の人々の拠りどころであった小湊小学校であり、過疎化・少子高齢化の波により2019年3月に閉校した。この跡地を再び地域の拠点として活用したい地域住民が閉校前の2018年より議論を重ね、その結果、人工芝フットサルコート、体育館、合宿棟、交流棟を市が整備して鴨川市のスポーツ拠点となる小湊さとうみ学校が誕生した。
 設立当初から公共スポーツ施設等の指定管理者となることを目標とし、子どもを対象としたスポーツ教室や中高齢者のための健康教室などを実施して実績を積み上げた結果、公募によって小湊さとうみ学校の指定管理者となることに成功した。

団体向けロゲイニングプログラムを収益事業の柱に

 地図と写真などを手掛かりに特定の地域に設定されたコントロールポイントを探し、いかに多くの得点を獲得するかを競うナビゲーションスポーツ「ロゲイニング」をベースにしたプログラムを自主事業として提供している。参加者はゲーム性をもって楽しく市内を移動しながら、鴨川の自然や歴史・文化に親しむことができる。
 個人向けのプログラムは収益性に課題があったが、修学旅行や企業研修のメニューとして団体向けのプログラムを提供したところ好評となり、収益事業の柱となっている。ロゲイニングをきっかけに訪れた人が鴨川の良さを知る機会にもなり、交流人口の増加やまちの魅力向上に資する活動として鴨川市からも期待されている。

スポーツを地域の魅力向上や課題解決に結びつけるイベント・プログラムを実施

 棚田が各所に点在する鴨川市の文化や景観に親しんでもらうことを目的に、柿木台棚田をフィールドにした「鴨川どろリンピック」を開催。田んぼの泥の中で行うサッカーなど、大人と子どもが一緒に楽しみながら身体を動かす機会にもなっている。
 里山の環境保全を目的に、一般的には重労働とされる草刈りにスポーツがもつ「競技性」や「楽しさ」の要素を追加した「スポーツ草刈り」大会を開催。「BOSO(房総×防草)草刈サミット」と題して、草刈りの美しさをスポーツとして競いながら、楽しく地域課題の解決に繋げている。