レポート

2025.12.23

「地域スポーツコミッション協議会in出雲」開催レポート

11月27日・28日の二日間、「地域スポーツコミッション協議会 in 出雲」が開催され、全国の地域スポーツコミッション(以下「地域SC」)、自治体職員など、32団体・約100名が島根県出雲市に集まりました。本協議会は、全国の地域SCが互いの取組を学び、地域SC間のネットワーク構築を目的としており、今年で3回目の開催となります。

1日目 11月27日(木)
オープニング
初日の会場となったのは、出雲大社にほど近い文化施設「大社文化プレイス うらら館」です。
スポーツ庁の籾井審議官による主催者あいさつ、出雲市の伊藤副市長による歓迎のあいさつで開会しました。

続いて、一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構の原田会長より、全国の地域SCの現況として、財源の確保や人材の育成など、多くの地域SCに共通する4つの課題と、今後の展望が示されました。

プログラム1「出雲市および出雲スポーツ振興21の取組について」

登壇:出雲市 市民文化部 文化スポーツ課 課長補佐 飯塚潔 氏
   特定非営利活動法人出雲スポーツ振興21 理事長 矢田栄子 氏

まず、飯塚氏より、出雲全日本大学選抜駅伝競走の歴史と現況、スポーツツーリズムの推進・PR・スポーツ振興を含む大会の多様な目的、その効果や今後の展望について紹介がありました。
続いて、出雲スポーツ振興21の矢田理事長から、スポーツ振興によるまちづくりを理念とする同法人の歩みや行政との役割分担の考え方、事業内容が語られました。 出雲市内のスポーツ施設の一体的な管理、スポーツ協会をはじめとする各種スポーツ団体の事務局業務、総合型地域スポーツクラブの設立・育成、さらには他分野と連携したスポーツツーリズムまで、活動がインナー事業からアウター事業へ広がった過程は、多くの地域SCや自治体にとって大きな示唆を与える内容でした。

プログラム2「出雲大社神門通り甦りの物語」「公園スケートボード上完成までの軌跡」

登壇:神門通りおもてなし協同組合 代表理事・出雲観光協会 会長 田邊達也 氏

プログラム2では、かつて衰退していた神門通りがどのように再生されたのか、その歩みが紹介されました。歴史や文化を学び、全国の門前町の視察を経て、仲間が集まり、組織として地域の活性化に取り組んだプロセスは、民間が先行し行政が後押しするまちづくりの好例として参加者の関心を集めました。
また、スケートボード場整備のエピソードでは、少年たちとの対話と信頼関係構築を積み重ねながら、地域課題解決につなげていったストーリーが紹介され、スポーツによる社会包摂の現場の臨場感が伝わりました。

交流会

初日のプログラム終了後、島根ワイナリーにて出雲スポーツ振興21が主催する交流会が開催されました。島根ワインでの乾杯から始まり、全国の地域SC関係者同士が活動内容や課題を共有しながら交流を深めました。
地域同士の新たなご縁が次々と生まれ、今後の連携や情報交換につながる有意義な時間となりました。

2日目 11月28日(金)
施設見学

2日目は出雲健康公園へ移動し、巨大な白い屋根が象徴的な出雲ドームをはじめ、前日に紹介されたスケートボード場などのスポーツ施設を視察。スポーツイベントの受入環境や、施設管理の工夫について説明を受けながら見学しました。

地域SC基礎調査2024報告

登壇 一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構 滝田佐那子 氏

全国の地域SCの現状を把握するために行われている基礎調査の2024年度の報告がありました。事務局の主体や法人格の有無、予算規模、収入源、事業内容など、200を超える地域SCの実情が数字とグラフで示され、全国的な傾向と課題が整理されました。

事例研究「持続可能な組織に向けた取組」

登壇 特定非営利活動法人出雲スポーツ振興21 理事長 矢田栄子 氏 ほか

出雲スポーツ振興21の事業内容について、各事業担当者より具体的な取組が紹介されました。総合型地域スポーツクラブとしての教室事業、スポーツツーリズムを含むイベント事業、指定管理者としての施設管理の工夫など、多くの地域SCにとって参考となる先進的な実践内容が共有されました。

参加者意見交換

最後のプログラムとして、事前に選択したテーマごとに分かれて、「自主財源の確保」「他団体との関係構築」「持続可能な組織づくり」の3テーマで意見交換が行われました。現場の課題や悩みを共有し合いながら、今後の実践につながるヒントを得る時間となりました。

プログラムの最後には、スポーツ庁の廣田参事官より、地域SCに関する最新動向と今後の方向性が共有されました。

今回の協議会は、スポーツを軸に、行政とNPOが役割を分担しながら地域のスポーツ振興およびスポーツによる地域振興を推進するという、出雲ならではの先進事例を学ぶ場となりました。
“縁結びのまち 出雲”で生まれた新たな繋がりと学びが、全国の地域SCの活動をさらに後押ししていくことが期待されます。