レポート

2024.10.03

「地域スポーツコミッション協議会in沖縄」開催レポート

9月19日・20日の二日間、沖縄県で「地域スポーツコミッション協議会in沖縄」が開催され、全国の地域スポーツコミッション(以下「地域SC」)、32団体およそ100名の関係者が参加しました。本協議会は、各地の取組を学びながら地域SC間のネットワーク構築を目的としており、昨年の石川県金沢市に続き二回目の開催となりました。

オープニング

メイン会場となったのは、沖縄市にある沖縄アリーナ5階、館内が見渡せるパノラマラウンジです。

スポーツ庁の橋場審議官による主催者あいさつ、公益財団法人沖縄県スポーツ協会の渡嘉敷理事長による開催地あいさつ、沖縄市長代理による歓迎のあいさつで開会しました。

メイン会場となった沖縄アリーナ
高級感あふれるパノラマラウンジで開会
主催者あいさつ
地域SCの役割や期待が語られました
開催地あいさつ
歓迎のあいさつ

一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構 地域スポーツ戦略ディレクターの藤原直幸氏からは、全国スポーツコミッションの現状と協議会の位置づけについての説明がありました。現在、200を超える地域SCが設立されており、スポーツによるまちづくりや地域活性化が期待されています。

地域SCの現状と協議会の位置づけを説明
地域でのハブ機能が求められています

プログラム1「沖縄県の取組について」

○沖縄県の取組紹介
 沖縄県文化観光スポーツ部 スポーツ振興課 スポーツ企画班長 宮平洋志 氏

○対談「沖縄県のスポーツコンベンション受入の現状と全国地域SCとの今後の連携について」
 一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構 会長 原田 宗彦 氏
 沖縄県文化観光スポーツ部長 諸見里真 氏

最初のプログラムでは、沖縄県の取組紹介と、スポーツコンベンション受入の現状と全国地域SCとの今後の連携についての対談が行われました。

2023年に開催された沖縄アリーナでのFIBAバスケットボールワールドカップに関する県としての取組とその効果、大会後のレガシーの活用方法や、「スポーツアイランド沖縄」の形成に向けたインナー施策とアウター施策を紹介。「スポーツ人口の拡大」「スポーツ環境の充実」「スポーツ産業の活性化」の好循環を生むためのポイントは、多くの地域SCが参考にできそうです。

目指すのはW杯開催を沖縄振興に繋げること
長期的な取組を振り返り、今後の展望を語ります

プログラム2「沖縄アリーナ視察」

日本初の本格的なバスケットボール専用アリーナとして2021年に竣工された沖縄アリーナは、琉球ゴールデンキングスのホームゲームが開催されるほか、各種スポーツイベントや音楽ライブなど、質の高いエンターテインメント体験が提供できるよう設計されています。

最新の設備や利用者目線のホスピタリティなど、細部まで解説を聞きながら視察を行いました。

コートは取り外し可能
どこの席からでも観戦しやすい傾斜
スイートルームは一般客の導線と分けられています
360度リプレイを可能にするカメラを常設
トイレの利用状況が一目でわかります
小さなお子様向けのプレイゾーン

プログラム3「フレスコボール体験」

アリーナ視察のあとは、読谷村残波ビーチに移動して、ブラジル発祥のフレスコボールを体験しました。フレスコボールは味方同士でボールを落とさずにラリーを楽しむスポーツで、残波ビーチでは6月に日本代表ペアを決める大会も開催されました。

日本代表選手によるデモンストレーションのあと、ラリーの体験を始めたところで、突然の豪雨。やむなく途中で中止となってしまいましたが、その難しさと楽しさを味わいました。

日本代表選手によるデモンストレーション
参加者同士でペアを組んでラリーを体験

BBQ交流会

初日のプログラム終了後、残波ビーチの近くで読谷村の協力のもとSC沖縄主催のBBQ交流会が行われました。

それぞれの団体の活動状況を共有したり、抱えている課題を相談したりと、全国各地の地域SC関係者同士の情報交換の場となりました。これをきっかけに、地域間連携が進むことを期待しています。

沖縄流のおもてなしBBQ
読谷村 石嶺村長による歓迎のあいさつ
盛大に乾杯
親睦を深めます
上地流空手道拳優会国吉道場による演舞
名物 豚の丸焼き

プログラム4「沖縄県・市町村スポーツコミッションの取組と連携について」

○取組紹介
 スポーツコミッション沖縄 山里亮子 氏
 沖縄市スポーツコミッション 並里義史 氏
 読谷村スポーツコンベンション受入協力会 島袋直人 氏
 石垣島スポーツコミッション 新見弘基 氏
 (ファシリテーター)沖縄国際大学産業情報学部 准教授 慶田花英太 氏

2日目は沖縄県と各市町村の地域SCの取組や連携についての発表がありました。
沖縄県スポーツ協会内に組織されているスポーツコミッション沖縄では、広域型の地域SCとして、広域連携によるスポーツコンベンションの誘致活動や受入体制の構築に力を入れています。

沖縄市スポーツコミッションからは、フランスバレーボール男子代表合宿の受入から発展した事業や、プロスポーツチームや各地の地域SCとの連携事例などが紹介されました。
読谷村スポーツコンベンション受入協力会は、誘致活動や誘客活動を積極的に展開し、受入の際にも地域を巻き込み、地域の特色を生かした取組を行っています。
石垣島スポーツコミッションは、地域おこし協力隊の活用に関する報告と、地域課題と石垣島の強みを生かした「アルバイト×合宿」事業の紹介がありました。
各地域SCの特徴的な発表を通じて、他地域の取組を知る貴重な機会となりました。
また5,6人のグループに分かれての参加者フリーディスカッションでは、テーマに沿った意見交換や白熱した議論が交わされました。

各地域の特徴を生かした取組を発表
真剣に耳を傾けます
地域間連携の重要性が増しています
グループごとにテーマに沿って意見交換

ランチミーティング

最後に、ランチミーティングとして、栄養サポート弁当の紹介と試食会が行われました。8月に開催されたラグビースポーツクリニックに向けて、スポーツ栄養士監修のもとで開発された、高校生ラグビー選手の体づくりのための弁当です。沖縄県産の食材が中心のメニューで、合宿の食事にはピッタリのお弁当でした。

最後の最後まで地域SC間の交流が続く、充実した二日間となりました。

スポーツ庁 廣田参事官による主催者あいさつ
栄養サポート弁当
解説を聞きながら試食
閉会後も話は尽きませんでした
沖縄アリーナのコートで集合写真